風邪
感冒や風邪といわれる状態には何種類もの病気が含まれていますが、多くのものはウィルスによる上気道(鼻、咽頭、喉頭)の炎症です。ウィルスの種類やそのときの体調によりいろいろな症状が出ます。典型的な経過としては、
① 鼻やのどの粘膜からウィルスが侵入して、痛くなる。
② 水のような鼻水や、くしゃみ、鼻詰まりが起きる(カタル症状)
③ ウィルスが増殖して、全身的な症状が出る(発熱、倦怠感、胃腸症状など)
④ 鼻水が粘くなり、痰が多くなる。
といった経過が数日続き治っていくというものでしょう。
残念ながら今のところ、風邪に対する特効薬はなく、上記の経過を短縮する確かな治療法はありません。いわゆる風邪薬(総合感冒薬)は、上記の症状を抑えるための対症的な薬であり、風邪を治す薬ではありません。総合感冒薬にはどの時期に飲んでも良いように、いろいろな成分が含まれています。従って場合によっては不要な成分を飲んでしまうこともありますので、できればその時期に一番強い症状を抑えるような薬を選んで飲んだほうが合理的かと思います。
当院では耳鼻科的診察で鼻やのどの状態をよく見てその時に応じた薬を処方しています。また、局所的治療法として、鼻、喉への薬液吸入、温熱療法(蒸気吸入)を行なっています。