慢性中耳炎

慢性中耳炎には色々なタイプがあります。
(写真)大きな穴が鼓膜に開いています。鼓膜の奥の構造、鼓膜と内耳をつなぐ耳小骨がよく見えています。
最も多いのは鼓膜に穴があいているもので症状としては耳だれ、難聴です。このタイプは大きな合併症を起こすことは少ないので、耳だれが出たときに通院してその都度治療していっても良いでしょう。根本的に直すためには手術が必要です。手術で、鼓膜の穴を塞ぎ、耳だれが出なくなり、聴力が改善する可能性があります。
慢性中耳炎の中でも要注意のものに真珠腫性中耳炎があります。これは鼓膜の一部が陥没してそこに真珠のような塊ができて少しずつ周囲の骨を壊して大きくなっていく病気です。

(写真)真珠腫性中耳炎の鼓膜。穴は開いていないように見えますが、鼓膜の右上の骨に窪みが出来ています。左上はこの中にある真珠腫のため腫れています。
あまり自覚症状がなく少しずつ進行していくこともあります、症状は難聴、耳だれ、痛みなどです。稀ですがとても大きくなると、めまい、顔面神経麻痺、髄膜炎など起こすこともあります。真珠腫性中耳炎はこのような危険な合併症を起こすことがありますので、基本的にはなるべく早く手術したほうが良いでしょう。